臨床検査技師として働いていて「タスクシフト」について耳にする機会が増えたと思います。
この記事では、タスクシフトの概要と、タスクシフト講習を受けるべき人、受講が向かない人の条件をまとめました。
- タスクシフトについて概要が知りたい人
- 自分はタスクシフトを受けた方が良いか知りたい人
- 受けたくない。受けなくて良いのはどんな人か知りたい人
こんな人にむけてまとめています。
新しい情報はしっかりアップデートしていきましょう。
タスクシフトを知って、自分に必要か見極めよう
既に受講を決めて申し込むひとはこちらの記事にお進みください。
概要|タスクシフトとは
タスクシフトとは、医師しか行えなかった業務の一部を他の職種に分担する仕組みのこと。臨床検査技師にも分担が要請されており、業務内容は以下の物があります。
①検体採取の追加
- 医療用吸引器を用いて鼻腔、口腔又は気管カニューレから喀痰を採取する行為
- 内視鏡用生検鉗子を用いて消化管の病変部位の組織の一部を採取する行為
②生理検査業務の追加
- 運動誘発電位検査
- 体性感覚誘発電位検査
- 持続皮下グルコース検査
- 直腸肛門機能検査
③その他、検査に付随する医療行為
- 採血時に静脈路を確保し、接続されたチューブにヘパリン加生理食塩水を充填する行為
- 採血時に静脈路を確保し、当該静脈路に点滴装置を接続する行為。電解質輸液の点滴を実施するためのものに限る。
- 採血時に静脈路を確保し、当該静脈路に血液成分採血装置を接続する行為。当該血液成分採血装置を操作する行為。当該血液成分採血装置の操作が終了した後に抜針及び止血を行う行為。
- 超音波検査のために静脈路に造影剤注入装置を接続する行為。造影剤を投与するために当該造影剤注入装置を操作する行為。当該造影剤の投与が終了した後に抜針及び止血を行う行為。静脈路に造影剤注入装置を接続するために静脈路を確保する行為。
詳しくは日本臨床衛生検査技師会のサイトをご覧下さい。
タスクシフト講習の受け方
タスクシフト講習は、
①事前に自分で700分の視聴が必要なオンライン基礎講習
②都道府県ごとに行われる実技講習
の2つから成り立ちます。
まず、受験申請後に参加費を入金し、基礎講習を視聴します。(日臨技会員:1万5千円、非日臨技会員:4万円)
講習の確認試験に全問正解することで視聴完了となり、登録後に実技講習の申込みが行えます。
700分と言うと膨大に聞こえますが、90分程度の講習を8つ視聴出来ればクリアです。そう考えると、上手く計画すれば難しいことは無さそうですよね。確認試験も、各コンテンツの終わりに5問程度のもので、何度も受験可能です。
詳しくは別の記事にまとめましたのでそちらをご覧下さい。
タスクシフトを受けた方がいい人
筆者が圧倒的にオススメしたいのは、20代前半の現役臨床検査技師です。
2025年の臨床検査技師の国家資格保持者は、今回のタスクシフト講習を受けずとも追加業務を行うことが出来ます。
よって、その新人さん達に業務を教える必要がある、直接教育担当をする世代の人たちには必須の講習だと思われます。
業務上必要であることに加え、精神的にも1-2年後輩の子達より出来ることが少ないと精神的にストレスにもなります。
逆に言えば、新人さん達意外にタスクシフト講習を受けている臨床検査技師が自分以外にいなければ、かなり付加価値として人事考課に好影響と思われます。
タスクシフトをまだ検討するだけでいい人
上記に対し、既に臨床検査技師としての立場を確立してバリバリと働いている人や、役職を得てさらに上の業務を行っている人には必要性が低いかもしれません。
フリーランスなど最前線で常に動いている人は必要かと思いますが、クリニックなどで医師が求めていない場合は今すぐの受講は必要ないでしょう。ペーパー資格とならないためにも、受講のタイミングはしっかり見極めましょう。
臨床検査技師の今後
AIが発展したら技師の仕事は減ってしまうかもしれないなどと言われていますが、人手不足が深刻な現代では、まだまだ臨床検査技師の活躍の場は多いと言えます。
臨床検査技師のすべての追加資格を得ることは現実的ではないのではありません。自分に必要な情報を積極的にあつめ、しっかりアップデートしていきましょう。
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