こんにちは、超音波検査士 消化器領域を持つ「おはる」です。
超音波検査は腹部から始める方が多いですよね。この記事では、初めての受験で何から手をつけたら良いのか悩む方に向けて、過去5年分の試験内容と傾向、対策について解説していきます。
また、受けるか悩んでいる方へまとめた超音波検査師認定試験の受験条件や試験内容はこちら。
出題傾向を抑えて一緒に頑張ろう
まずは試験内容を確認しよう
認定試験は、書類審査と筆記試験2科目「消化器領域」と「医用超音波の基礎」の3つです。医用超音波の基礎については別にまとめますね。
試験内容ー書類審査ー
書類審査では、指定された疾患に対して指定された数のレポートを作成し、計20症例を提出します。
- 肝臓のびまん性疾患 4例以上
- 肝臓の良性腫瘤 2例以上
- 肝臓の悪性腫瘤 2例以上
- 胆道・膵臓の良性腫瘤 2例以上
- 胆道・膵臓の悪性腫瘤 1例以上
- 消化管 3例以上
- その他
具体的疾患は超音波検査士研修ガイドライン参照ですが、加えて助けとなるのが「よくある質問」ページです。
脾臓の石灰化や腹水・胸水は所見であり症例とならない、腹膜ヘルニアは対象外などありますので要注意ですよ。
試験内容ー筆記試験ー
試験内容は日超医作成の「超音波検査士研修ガイドライン」。
こちら、消化器領域の超音波検査を行うのに必要な知識すべてが対象と言っても過言ではありません。
対象臓器は、肝臓、胆道、膵臓、脾臓、消化管、腹腔・後腹膜。
内容は、解剖や良悪性腫瘤、炎症性疾患、検査手技などです。
試験時間70分で問題数は35問、60%正解で合格。つまり21問以上正解する必要があります。また、5つから2つ選ぶ問題も部分点はないので、自信を持って答えられるようにしましょう。
腹部の血管やリンパ管も範囲だよ。
漏らさず復習しよう。
筆記試験の傾向
超音波検査士 消化器領域の2017~23年は画像問題が多いです。しかし類似問題が半分ほど出るので、問題集をやりこめば数問目新しい問題が出ても無理なく合格が目指せる印象です。
しかし画像から疾患を推測出来る必要はあるので、出来るだけ多く画像を見て慣れておきましょう。
過去数年のおおまかな臓器別出題数をまとめました。
2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
肝臓 | 12 | 14 | 12 | 18 | 15 | ||
胆道 | 5 | 5 | 6 | 5 | 6 | ||
膵臓 | 6 | 5 | 6 | 6 | 6 | ||
脾臓 | 2 | 2 | 2 | 2 | 3 | ||
消化管 | 4 | 8 | 7 | 4 | 5 | ||
腹膜・リンパ | 2 | 2 |
2024/08/19現在、日超医による問題集は出版されていますが過去問は出版されていません。
「認定超音波検査士、問題、掲示板」で検索してみて下さい。数年分の過去問は手に入ります。
しかし受験者達が心の安心の為に載せ合っている情報のため、真偽は不明。また受験直前は見るほど焦るので、気になる方は早めの検索をお勧めします。
試験内容が分かったら計画を練ろう
試験に向けた試験勉強法はこちら。
書類審査に向けて
超音波画像が汚い症例は、諦めて次を探しましょう。なぜなら、粘れば書ける症例でも自信がないと結局提出しづらく、書きやすい症例ほど1日でサクサクかけて且つ分かりやすいレポートになりやすい傾向があるからです。
他検査データがそろっている症例が圧倒的に書きやすいです。サクサクふるい落としてさっさと次に進みましょう。また、誤字脱字は大幅減点との記載がありますので厳重注意ですよ!
筆記試験に向けて
まずは問題集を解きましょう、参考書をまとめるのはその後で大丈夫です!
やる気も時間も有限なので、とにかく解いて自分の苦手を知る事が大切。
次に分かりやすい参考書の表をコピーして、自分用暗記ノートを作って勉強すると効率的に勉強できます。ノートを作りづらい分野こそが、苦手分野ですよ。
自分用ノートは、当日焦っても安心をくれる相棒になるはずです。
試験範囲に広く特化した参考書は下に張っておきますね。
また、臨床検査学会や超音波検査学会から定期郵送される資料には最新情報や流行などが載っていることもあるので要チェック。
何を使って勉強するか
「参考書」「問題集」の2冊を準備しましょう。
焦ると「短時間・効率的」などのワードに惹かれますよね。しかしながら、試験運営団体の基本の参考書が一番信頼出来ます。
一緒に合格した同僚や受験者が見ているのはみんな一緒でした。
お世話になった参考書
①日超検 腹部超音波テキスト第3版
まずは日本超音波検査学会監修の最も基本の参考書です。
臓器別所見に加え、救急超音波検査や症状別所見のページも学習して下さいね。
②超音波検査士認定試験対策:臨床編 消化器領域・健診領域
各本2領域(こちらは消化器と健診)掲載のシリーズ。認定試験対策の要点と、模擬試験が3回分載っています。問題集一冊とこちらの模擬試験で計6回分を解くのがオススメ。
③病気がみえる vol.1 消化器
図とイラストが可愛く分かりやすい参考書です。
そのため生理学を視覚的に理解しやすいので、解剖から疾患までをイメージしながら覚えやすいです。各疾患別にまとまっているので、分からない疾患が出たときにサクッと調べるのに便利な一冊です。
(④ベクトル・コアの黒本 「腹部超音波テキストー上・下腹部ー」)
今はなきベクトル・コア社の参考書です。試験対策用の本ではありませんが、画像が多く、他参考書で見ない疾患も網羅された一冊です。
(⑤ベクトル・コア 超音波検査士認定試験対策 臨床編:消化器領域【三訂版】)
上記参考書②の元となった本。消化器のみのため比較的小さく薄く、当日までしっかりお世話になりました。
今は販売がないので、持っている先輩がいたらお借りしたい一冊。
問題集
①超音波検査士・超音波指導検査士認定試験問題集(第3版~第5版)
認定検査を主催している日超医編集の問題集です。アウトプットの練習はこれしかないと思います。(もしくは上記参考書②)
類似問題の出題も多いので、知識に自信がある方も1問2分で問題を解き慣れるためにやりこみましょう。
安くは無いですが医用超音波基礎含めて全領域載ってるよ。
別領域の受験にも使えばお得!
多くの受験生が第3~5版をやり込んでるってことは・・・
新版が出てもまだまだ使い道ありそう!
問題集やりこみ表
↑自分用なので問題数に間違いあります。問題集3-5版と、参考書の模擬試験3回分です。
こんな感じで表を作って印刷し、繰り返し解きました。自分の使いやすいようにアレンジするなどご自由にして下さい。
早速レポート用の症例を探してみよう!
頑張って~合格を応援してるね!
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