こんにちは、認定超音波検査士を持つ臨床検査技師のおはるです。
特に超音波検査士 泌尿器領域は参考書や試験対策本が少なく、筆記試験の勉強法に悩む方を見かけます。この記事では過去5年の出題から導いた試験傾向と対策について解説していきます。
また、受けるか悩んでいる方へ超音波検査士認定試験の受験条件や試験内容はこちら。
出題傾向を抑えて勉強すれば大丈夫。
一緒に頑張りましょう。
まず始めに・・・試験内容を確認する
試験は、書類審査と筆記試験2科目「泌尿器領域」と「医用超音波の基礎」の3つがあります。医用超音波の基礎については別にまとめますね。
試験内容ー書類審査ー
書類審査では、指定された疾患に対して指定された数のレポートを作成し計20症例とします。
- 腎悪性腫瘍 3例以上
- 腎良性腫瘤性病変 3例以上
- 上記1,2以外の腎疾患 2例以上
- 上部尿路疾患 3例以上
- 膀胱、前立腺、陰嚢内容、外陰部疾患 3例以上
- その他
具体的疾患は超音波検査士 研修ガイドライン参照推奨です。加えて、泌尿器領域は「超音波実績作成の手引き」にも具体的疾患が記載されているので参考にしましょう。また、念のため「よくある質問」も読んでおくと安心です。
試験内容ー筆記試験ー
試験内容は日本超音波医学会作成の「超音波検査士研修ガイドライン」です。確認すると分かりますが、試験は泌尿器領域の超音波検査を行うのに必要な知識すべてが対象とです。
対象臓器は、副腎、後腹膜、腎(腎盂)、尿管、膀胱、尿道、陰茎、前立腺、精嚢,陰嚢。
内容は、解剖・生理や病理、検査手技などとあります。
試験時間70分で問題数は35問、60%正解で合格なので、21問以上正解する必要があります。また、5つから2つ選ぶ問題も部分点はないので自信を持って答えられるようにしましょう。
腎動静脈異常や、腫瘍のカテゴリー分類も範囲だよ。
漏らさず丁寧に学習しよう。
筆記試験の傾向
特に腎臓の習得は欠かせません、他臓器に関しては典型像をとにかく頭に入れましょう。
2018年から2023年の出題傾向を見ると、類似問題が多いようです。したがって、問題集を解いて傾向が分かれば目新しい問題が出ても合格が目指せる印象です。
特に画像問題が多いので、画像から疾患を推測出来るように画像を見て慣れておきましょう。
過去5年のおおまかな臓器別出題数をまとめました。
受験者の少ない泌尿器領域は過去問の入手が難しいです。受験経験者がいたら試験内容を聞いておきましょう。
2018 | 2019 | 2021 | 2022 | 2023 | |
腎臓 | 7 | 8 | 10 | 4 | 12 |
副腎 | 4 | 3 | 4 | 1 | 2 |
膀胱 | 5 | 2 | 2 | 1 | 7 |
尿管 | 2 | 1 | 3 | 4 | 3 |
陰嚢・精巣 | 6 | 6 | 7 | 8 | |
前立腺 | 2 | 3 | 1 | 1 | 2 |
血管・リンパ | 4 | 2 | 3 |
2024/05/28現在、日超医による問題集は出版されていますが過去問は出版されていません。
「認定超音波検査、問題、掲示板」で検索してみて下さい。
大体2-3年分の過去問は手に入ります。しかし受験者達が心の安心の為に載せ合っている情報のため、真偽は不明です。また、受験直前は見るほど焦るので、気になる方は早めの検索をお勧めします。
計画を練ろう
試験に向けた試験勉強法はこちらです。
書類審査に向けて
書類審査までのやることリスト
泌尿器は「最終診断」が「病理学的診断名」でなくとも良いとの明記がありますので、超音波的特徴を捉えた分かりやすいエコー画像がある症例ほど書きやすいようです。
したがって、超音波画像が綺麗でないものは、早めに諦めて次を探しましょう。
他領域と比べシンプルなレポートになりますが、要点はしっかり押さえて書き漏らさないように。また、誤字脱字は大幅減点との記載がありますので厳重注意ですよ!!
筆記試験に向けて
筆記試験までのやることリスト
まずは問題集を解きましょう、参考書をまとめるのはその後で大丈夫です!やる気も時間も有限なので、とにかく解いて自分の苦手を知りましょう。
分かりやすい参考書の表をコピーして書き込み、効率的に勉強しましょう。まとめノートを作りづらく感じる分野こそ、自分の苦手分野ですよ。自分用ノートを作成すれば試験当日、焦っていても安心をくれる相棒になるはずです。
また、試験範囲全体に広く特化した参考書は下に張っておくので上手に活用し。
加えて、臨床検査学会や超音波検査学会から定期郵送される資料には最新情報や流行などが載っていることも。業務時間の間にも読みやすいので目を通せると安心かもしれません。
何を使って勉強するかー試験の相棒は?ー
「参考書」と「問題集」の2冊を準備しましょう。
焦ると「短時間・効率的」などのワードに惹かれますよね。しかしながら試験運営団体の基本の参考書が一番信頼出来ます。
合格した同僚が見ているのはみんな同じ本でした。
おすすめ参考書
①日超検 腹部超音波テキスト第3版
第3版が発売になりました!日本超音波検査学会監修の最も基本の参考書です。参考書の最初や終わりなどの、臓器別所見以外のページもしっかり習得しましょう。頻度の少ない希な疾患は出題率高めです。
② medical technology 2021年7月号「泌尿器エコー実践活用術」
臨床検査技師はお世話になるシリーズです。ポイントが押さえられているので効率的に勉強できます。一読すれば、誰でも得るものがあると思います。
③病気がみえる vol.1 泌尿器
図とイラストが可愛く分かりやすい参考書。
生理学を視覚的に理解しやすく、解剖から疾患までをイメージできます。各疾患別にまとまっているので、問題を解いて分からない疾患が出たときにサクッと調べるのに便利な一冊です。
④ベクトル・コア 「腎・泌尿器アトラス」
今はなきベクトル・コア社の参考書。直接試験対策になる本ではないのですが、他参考書で見ない疾患も載っているので希症例の画像を見たい方にオススメです。
受験者が、同じような写真が出題されたと言ってました。
問題集
①超音波検査士・超音波指導検査士認定試験問題集(第3版~第5版)
認定試験を主催している日超医編集の問題集です。アウトプットの練習はこれ以外ないと思います。
類似問題の出題も多いので、知識に自信がある方も1問2分で問題を解き慣れる為にやりこみましょう。
安くないけど、医用超音波基礎含めて全領域載っています。
複数領域を受験するほどお得だよ。
多くの受験生が第3~5版をやり込んだってことは・・・
新版が出てもまだまだ将来使い道ありそうだね
最後に
受験する理由は皆さんそれぞれかと思いますが、受験は絶対に自分にプラスに働くはずです。最後まで頑張ってみて下さい・・・!
早速レポート用の症例を探してみよう!
慌てず一つずつ、確実に丁寧にね
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