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超音波検査士(産婦人科)試験の内容と対策

超音波検査士 産婦人科領域 検査技師になってから
超音波検査士 産婦人科領域

こんにちは、超音波検査士を持つ臨床検査技師のおはるです。
特に超音波検査士 産婦人科領域は参考書や試験対策本が少なく、筆記試験の勉強法に悩みますよね。

受験者が少なくて何を参考にしたら良いかわからない…
どんな問題が出るの?

この記事では、そんな人にむけて過去2年の出題から導いた試験傾向と対策について解説していきます

また、受けるか悩んでいる方へ超音波検査士認定試験の受験条件や試験内容はこちら

出題傾向をおさえて勉強すれば大丈夫。
一緒に頑張りましょう。

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まず始めに試験内容を確認する

試験科目は、書類審査と筆記試験2科目「婦人科領域」と「医用超音波の基礎」の3つです。

試験内容ー書類審査ー

書類審査では、指定された疾患に対して指定された数のレポートを作成し計20症例とします。

  1. 妊娠初期(20週未満) 5例以上
  2. 妊娠中期(20週以降) 5 例以上
  3. 婦人科疾患 4例以上
  4. その他

具体的疾患は超音波検査士 研修ガイドライン参照推奨です。残念ながら婦人科領域は「超音波実績作成の手引き」にも具体例は1つしかありません。

しかし産婦人科領域はスクリーニングも対象ですので、症例は書きやすい領域です。特にスクリーニングについては「超音波診断」や「最終診断」の具体的な書き方が載っていますので「よくあるご質問」ページを確認してください。
難しく考えすぎず、書きやすい症例を見つけて条件分の症例を埋めるようにしましょう。

産婦人科領域の主な注意点はこちら↓

  • 妊娠症例は妊娠週数を記載する
  • 妊娠症例はスクリーニングを含めて良いが、上記1.2はそれぞれ最低1症例ずつ胎児異常例を含める
  • 経膣、経直エコーも可能だが、医師が施行し受験者が超音波記録を行ったもののみ認める
  • なるべく分割画像は使わない。4分割以上は不可。

さらに上記に加えてスクリーニング(正常胎児)における提出画像にも制限があります。
詳細は「超音波実績作成の手引き」を確認してください。とにかく、分類に悩んだら「よくある質問」を読み、悩むようなら他の症例も検討しましょう。



試験内容ー筆記試験ー

試験内容は日本超音波医学会作成の「超音波検査士研修ガイドライン」です。確認すると分かりますが、試験は婦人科領域の超音波検査を行うのに必要な知識すべてが対象です。

対象臓器は、卵巣、子宮、卵管、膣、その他の骨盤臓器
内容は、正常妊娠、異常妊娠、胎児スクリーニングや胎児異常など

試験時間70分で問題数は35問60%正解で合格。したがって21問以上正解する必要があります。また、5つから2つ選ぶ問題も部分点はないので自信を持って答えられるようにしましょう。

穿刺の手技や骨盤臓器の解剖も範囲だよ。

漏らさず丁寧に学習しよう。

筆記試験の傾向

婦人科領域の傾向はこちら。

2023年
胎児分野は、提示された画像の疾患名を選ぶ問題が9割
・他、画像の所見を選ぶ、関連検査を選ぶ、臓器を選ぶ、など

2017年
・4割が婦人科問題
文章のみ問題は1割。9割が写真問題。


・めちゃめちゃ簡単だった
・治療や他検査(hcg測定、消化器内視鏡検査、穿刺手技)も出た
・胎児は異常所見の画像を覚えれば大丈夫

まずは写真問題の対策をしないと話にならないようです。
写真から疾患を推測し、関連する事柄について聞く形式は超音波試験でよく見ます。

・画像に目を慣らしておく
・それぞれ疾患について、解剖から他検査法、手技までまとめる

このような対策を行えば合格を目指せそうです。
産婦人科領域は簡単だったという人も見かけますが、もちろん油断は禁物。安心して試験に臨めるように準備しましょう。

過去3年分のおおまかな出題系統はこちら。

201620172023
卵巣疾患152
子宮疾患、解剖、異常妊娠271
胎児異常11510
胎児正常72
他検査、検査手技25
治療法1
※選択肢も含め分類しています。計35問になりません。

2024/08/20現在、過去問は出版されていません。

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計画を練ろう

試験に向けた勉強法はこちら。

書類審査に向けて

書類審査までのやることリスト

  • 受験要項・よくある質問を熟読
  • 見つけた症例をカルテで確認し、他検査や確定診断を確認して絞る
  • レポートを書く
  • 参考書やガイドラインを読み、矛盾が無いか確認する
  • シェーマを描く
  • 時間を空けて、再度文章を読み、矛盾や誤字脱字の最終確認をする

婦人科領域は、妊娠初期と中期それぞれに胎児異常が1件ずつ必要です。早めに症例集めを開始しましょう。

胎児は臓器が小さく見づらいため、とにかく画像が綺麗で書きやすい症例を選ぶのがオススメ。できればそれぞれ2例以上準備すると、症例に不備があった場合にも安心です。

また、胎児スクリーニングは原則的にBPD,AC,FLの3断面全ての提出が必要だったり、枚数がかさみがちです。分かりやすい画像を撮れるように普段から意識しておきましょう。

ちなみに誤字脱字は大幅減点との記載がありますので厳重注意ですよ!!

筆記試験に向けて

筆記試験までのやることリスト

  • 問題集を解く
  • 参考書を読みながら、間違えた問題を中心にポイントをまとめる
  • 繰り返して定着させる
  • 参考書を読みこむ
  • 最新のガイドラインが出ていないか定期的に確認する
  • 最新の話題についても頭の片隅に入れておく

まずは問題集を解きましょう、参考書をまとめるのはその後で大丈夫です!やる気も時間も有限なので、まず解いて苦手を知りましょう。

分かりやすい参考書の表をコピーして書き込み、効率的に勉強しましょう。まとめノートを作りづらく感じる分野こそ、自分の苦手分野ですよ。自分用ノートを作成すれば試験当日、焦っていても安心をくれる相棒になるはずです。

また、試験範囲全体に広く特化した参考書は下に張っておくので上手に活用してください。

加えて、臨床検査学会や超音波検査学会から定期郵送される資料には最新情報や流行などが載っていることもあるので、是非目を通しておきましょう。

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何を使って勉強する?

「参考書」と「問題集」の2冊を準備しましょう。
焦ると「短時間・効率的」などのワードに惹かれますよね。しかしながら試験運営団体の基本の参考書が一番信頼出来ます。

合格した同僚が見ているのはみんな同じ本でした。

オススメ参考書

①病気が見える(vol.9) 婦人科

疾患の疫学、症状、検査、治療についてまとめられています。
イラストや図が多く視覚的に理解しやすいのがオススメポイント。超音波に特化しているわけではありませんが、婦人科領域は他検査や治療まで問われることもあるため疾患ごとに理解するのに役立ちます。

②産婦人科アトラス

今はなきベクトルコアのシリーズ。
疾患ごとに主な超音波所見がまとまっているので簡潔で分かりやすい、という本です。症例レポート作成の時にとくにオススメの一冊です。

③発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス

雑誌「産婦人科の実際」の2020年11月臨時増刊号です。代表的な胎児形態異常の画像が多数載っているだけでなく、発生学まで解説されています。症例作成にも筆記試験対策にも使える一冊。また、スマホなどで実際のエコー動画111本も視聴可能です。

④産婦人科超音波診断アトラス

産科、婦人科、周産期のエコーがまとまっています。シェーマも載っているので理解しやすいです。難点はベクトル・コア社のため入手が困難なこと。

⑤経腟エコーの基本と読み方

婦人科疾患の超音波画像が多いです。経膣エコーは経験が積みにくいので、よく読みこんで経験の代わりにしましょう。

問題集

①超音波検査士・超音波指導検査士認定試験問題集(第3版~第5版)

認定試験を主催している日超医編集の問題集です。アウトプットの練習はこれ以外ないと思います。
類似問題の出題も多いので、知識に自信がある方も1問2分で問題を解き慣れる為にやりこみましょう。

安くないけど、医用超音波基礎含めて全領域載っています。

複数領域を受験するほどお得だよ。

多くの受験生が第3~5版をやり込んだってことは・・・

新版が出てもまだまだ将来使い道ありそうだね

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最後に

受験する理由は皆さんそれぞれかと思いますが、受験は絶対に自分にプラスに働くはずです。最後まで頑張ってみて下さい・・・!

慌てず一つずつ、確実に丁寧にね

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